こんにちは、あるです。
僕はこれまで
「言葉にしてくれなきゃ分からない」って、よく言われてきました。
正直、そのたびに少し苦しくなっていました。
もちろん、気持ちを言葉にすることの大切さはわかってる。
でも僕は、言葉にするのが得意じゃなかった。
気持ちはあるのに、それをどう伝えればいいか分からなくて、
結局、沈黙になってしまうことが多かったんです。
だからこそ、「言わなくても伝わる関係なんて、本当にあるのかな?」って、
ずっと疑っていました。
でも最近、「あ、こういうことかもしれない」って思える出来事がありました。
それは、何も言わなくても、なぜか安心できる空気がそこにあって——
今回は、そんな“言葉がなくてもつながっている感覚”について、お話ししたいと思います。
ある日、ふたりでカフェに行ったときのこと。
珍しく僕も彼女も、それぞれ仕事が立て込んでいて、
少し疲れた顔をしていたと思います。
席について、注文を済ませて、コーヒーが届いて。
でも、その日はあまり言葉を交わさなかった。
会話はぽつぽつとあるけれど、ずっと何かを話しているわけじゃなくて。
スマホをいじるわけでもなく、お互いに何かを気にしている感じもなく。
ただ静かに、一緒にその時間を過ごしていました。
僕は窓の外をぼんやり眺めて、
彼女はコーヒーをゆっくり飲んでいて。
ふと顔を上げると、目が合って、
彼女が小さく笑いました。
それだけ。
でもその瞬間、胸の奥にじんわりあたたかいものが広がったんです。
「あ、なんか…こういう時間、いいな」って。
言葉はなくても、ちゃんとそこに“安心”がある感じ。
「何か話さなきゃ」と焦らなくていい。
「楽しませなきゃ」と頑張らなくていい。
一緒にいることそのものが、心地よい。
その感覚は、それまでの僕にはなかったものでした。
それまでの僕にとって、
「会話が少ない=距離がある」みたいな思い込みがありました。
黙っていると、相手がつまらないんじゃないか。
何か話さなきゃ、空気が重くなるんじゃないか。
そんな不安がいつも心のどこかにあって、
気を張っていることが多かったんです。
でも、その日のカフェの空気のように、
何も話さなくても心が落ち着いている感覚を味わったとき、
「あ、関係ってこういうものでもいいんだ」と、少し考えが変わりました。
言葉をたくさん交わすことももちろん大事。
だけど、言葉にしなくても伝わるものがある関係って、
それはそれで、すごく深いものかもしれない。
“伝えなきゃ伝わらない”と思っていた僕にとって、
“伝えようとしなくても伝わっている”という感覚は、
ちょっとした衝撃でした。
それは、信頼とか安心とか、
そういう目に見えないものが土台にあるからこそ、
成立するものなんだと思います。
言葉がなくても、ちゃんと感じられるぬくもりがある。
そんな関係を、大人になるって、
こういうことかもしれないなって思ったんです。
恋愛って、つい「言葉」に頼りたくなりますよね。
「好きって言ってくれた」
「会いたいって言われた」
そういう言葉を聞けると、安心できるし、嬉しくなれる。
だから逆に、言葉がないと不安になるのも、無理はないと思います。
でも、ふたりの関係が深まっていくと、
言葉よりも“空気”とか“まなざし”とか、
そういう目に見えないものの方が大切になってくることがあります。
たとえば、沈黙が苦じゃない時間。
一緒にいてもお互いに無理しなくていい空気。
何かを伝え合おうとしなくても、ちゃんと通じ合っている感覚。
そういうものが育ってくると、
関係はどんどん“やさしく”なっていくんです。
もちろん、言葉は必要です。
でも、言葉に頼りすぎなくても大丈夫になったとき、
きっとその関係は、安心のうえに築かれているってことだと思います。
僕がこうして恋愛について発信しているのは、
“うまくやるための恋愛”じゃなくて、
“心からあたたかくなれる恋愛”をしてほしいと思っているからです。
言葉で気持ちを伝えることも大切だけど、
言葉じゃなくても伝わる関係を知っておくと、
恋愛はもっとやさしく、自由になります。
たくさん話さなくても、
何かをしてあげなくても、
ただそばにいるだけで、安心できる。
そんな関係があると知ってから、
僕の中の“恋愛”のイメージはゆっくりと、
でも確かに変わっていきました。
昔の僕は、恋愛ってもっと努力が必要なものだと思ってたんです。
相手を喜ばせる言葉を選んで、デートプランを工夫して、
気配りして、気持ちを察して……
そんなふうに頑張り続けることが、愛情の証だと。
でも、いつしか疲れてしまっていた。
「これだけ頑張ってるのに、どうしてうまくいかないんだろう」って。
そんな時に出会ったのが、
言葉の少ない、でも不思議と心地よい関係でした。
ふたりで並んで歩いているだけなのに、
なんとなくリズムが合っていて、
同じ景色を見て、同じように笑える。
沈黙が気まずくない。
会話がなくても、焦らなくていい。
「何かしなきゃ」が消えたときに感じる、
圧倒的な安心感。
最初は戸惑いました。
「こんなに何もしてなくて大丈夫なの?」って。
でも、それでいいんだと気づいたとき、
肩の力が抜けたんです。
恋愛って、本来はもっとあたたかくて、
やわらかいものなのかもしれない。
何かを埋めるためにするんじゃなくて、
お互いがそのままでいられる空間をつくっていくものなんだなって。
言葉にしなくても伝わること。
見つめ合わなくても、わかり合える感覚。
そういう“目に見えないつながり”こそが、
関係を支えているんだと、今は思えます。
もちろん、全部がそううまくいくわけじゃないし、
関係には試練やすれ違いもあるけれど。
それでも、
“無理しないで一緒にいられる”という土台があれば、
きっと、恋愛はもっと安心で、もっと優しいものになる。
ドラマのようなセリフも、派手なサプライズもいらない。
ただそばにいて、ふと笑い合える——
そんな日常が、いちばん愛おしいと感じられるようになりました。
恋愛って、そういうものでもいいんだと思います。