恋愛がうまくいかないときって、
相手の言動やすれ違いに目がいきがちだけど——
ふと、自分の中にある“前提”が
気づかないうちに恋愛を苦しくしてることがあるんですよね。
「恋人ならこうしてくれるはず」
「こういうときは、こう言うのが普通でしょ」
「私ばっかり頑張ってる気がする」
そんな“無意識の思い込み”に縛られていたこと、
僕自身にもたくさんありました。
そして、それが相手との摩擦を生んで、
「どうしてわかってくれないの?」って苦しくなっていた。
この記事では、
僕が恋愛の中でしんどくなったときに気づいた、
“勝手な前提”と、
それを外してラクになれた視点についてお話しします。
付き合い始めて半年くらいのころ、
僕は「恋人なら、こうしてくれるよね」という前提で、
彼女とのやりとりを見ていました。
たとえば、仕事で理不尽なことで怒られた日。
電車の中でため息をつきながら、
「今日ちょっとしんどかった」って彼女にLINEを送ったんです。
すると、「そっか、お疲れさま」とだけ返ってきた。
普通に見れば、優しい言葉なんだと思います。
でも、僕はその返信を見た瞬間、
どこか寂しくなってしまったんです。
「それだけ?」「もう少し心配してくれてもよくない?」
そんな思いが頭の中をぐるぐる回って。
そこには、“恋人なんだから、もっと深く寄り添ってくれるべき”という、
無意識の期待があったんだと思います。
さらに僕は、
「なんでそんな反応しかできないんだろう」
と彼女を責めるような気持ちと、
「こんなことでモヤモヤするなんて、自分って面倒くさいのかも」
という自己否定の気持ちを
同時に抱えてしまって、
どんどん心が苦しくなっていきました。
彼女にその気持ちをうまく言えずにいたことで、
次第に「察してほしい」という気持ちが強くなっていって。
ちょっとした返信の間の空き方や、スタンプの使い方ひとつで、
「なんか冷たい」「気持ちが離れてきてるのかな」と感じてしまうように。
でも、彼女は変わっていなかったんです。
ただ、僕の中の“こうあるべき”が膨らみすぎて、
それを超えてくれるかどうかで、
彼女の愛情を測るようになってしまっていた。
本当は彼女もちゃんと大切にしてくれていたし、
自分のペースで、気遣いも寄り添いもくれていた。
でも、僕は“自分の基準”でしかそれを受け取れていなかったんです。
「彼女が冷たい」と思っていたのは、
実は、僕自身が“前提”に縛られていたせいだった。
そんなふうに気づくまで、
僕はずっと、
「なんでこんなに恋愛ってしんどいんだろう」って悩んでいました。
そんなふうに、彼女の態度に敏感になっていたある日。
ふとした会話の中で、彼女が言ったひとことが胸に残りました。
「私は私なりにちゃんと気にしてるつもりだったんだけど、
〇〇してほしいって言ってくれなかったら、わかんないこともあるよ?」
その言葉を聞いたとき、ドキッとしたんです。
彼女が悪気なく言ったその一言に、
“ちゃんと伝えないまま、勝手に期待して、勝手にがっかりしてた”
自分の姿が浮かんできました。
僕は、“恋人なら当然”っていう前提で、
自分の欲しい反応を彼女に求めていた。
でも彼女は、僕の期待を知らなかっただけなんです。
思い返せば、僕はたくさんの“前提”を持ち込んでいました。
・恋人なら、落ち込んでるときに気づいてくれる
・愛してるなら、こっちの気持ちを察してくれる
・関係がうまくいっているなら、違和感は起きないはず
どれも一見自然なようで、
でも実は一方的な思い込みだった。
そこに気づいてから、
僕は「自分が何を望んでいるか」をちゃんと自覚するようになりました。
そして、それをきちんと伝えるようにもなった。
すると、彼女のリアクションは何も変わっていないのに、
“ちゃんとわかってもらえてる”っていう感覚が増えたんです。
思い込みのレンズを外しただけで、
見える世界が変わるって、
こういうことなんだなと感じました。
「恋人なら〇〇してくれるはず」
「こうあるべき」
「ふつうはこうでしょ」
こういう“前提”って、誰の中にもあります。
しかも、それがあること自体が悪いわけじゃない。
ただ、その前提が自分でも気づかないうちに強くなりすぎると、
恋愛はしんどくなってしまうことがあるんです。
僕自身がそうだったように、
“期待に応えてくれなかった”と感じるたびに、
相手にモヤモヤしたり、
逆に「こんなことで傷つく自分って…」と責めてしまったり。
でもそれって、
本当は「前提のズレ」によるすれ違いだったりします。
だからこそ大事なのは、
自分がどんな前提を持っているのかに、
ちょっと目を向けてみること。
「なんで今つらいんだろう?」と思ったとき、
「私が勝手に決めつけてることってないかな」って問いかけてみること。
それだけでも、感情の整理が少しラクになります。
「期待しないほうがいい」と言いたいわけじゃありません。
ただ、“前提は自分の中にあるもの”って気づくだけで、
恋愛はずっとやさしいものになる。
あなたが恋愛で感じているモヤモヤも、
その前提をひとつ手放すことで、
少し軽くなるかもしれません。
“こうあるべき”という思い込みを手放したとき、
恋愛は少しだけ、呼吸しやすくなりました。
彼女が変わったわけじゃありません。
僕が「察してよ」と無言の圧をかけるのをやめたことで、
ふたりのやりとりには、
少しずつやわらかい空気が流れるようになったんです。
たとえば、
以前なら「なんでそういう言い方するの?」って引っかかっていた場面でも、
「そう感じるんだね」って、ただ受け取れるようになった。
すると、不思議と彼女の言葉にも、思いやりが増えた気がしました。
恋愛って、つい“正解”を求めてしまうけど、
正しさよりも、“関係のあたたかさ”が残るほうが
ずっと大事なんじゃないかと思います。
僕たちは知らないうちに、
たくさんの“前提”を持っています。
恋人ならこうしてくれるはず。
こんなときは、こうするべき。
愛されてるなら、こう伝えてくるはず。
それがぴったりハマれば安心できるけど、
少しでもズレると、
「なんで?」「私って大事にされてないのかな」と不安が生まれてしまう。
でも、その前提は“ふたりで共有したもの”ではなく、
たいてい、自分ひとりが信じているもの。
だからこそ、
その前提がきつくなりすぎたときは、
「本当にそうかな?」と一歩引いて見てみることが、
自分を守ることにつながるのかもしれません。
完璧じゃなくていい。
察してもらえなくても、ちゃんと伝えればいい。
正しくなくても、あたたかい関係はちゃんと育つ。
僕自身、まだまだ上手にはできないけれど、
“こうしてくれたら嬉しい”を素直に伝えることで、
前より恋愛が苦しくなくなりました。
あなたももし今、
恋愛の中で
「なんで伝わらないんだろう」
「わかってくれない」と感じているなら——
それは、あなたが悪いんじゃなくて、
ちょっとだけ“前提”がしんどくなってるサインかもしれません。
だから、自分の中の“当たり前”をやさしく見直してみてください。
それだけで、心の重さが少し軽くなって、
恋愛の景色が違って見える日が、きっと来ると思います。