こんにちは、あるです。
「責めるつもりなんて、なかったのに」
「ただ、ちょっと気になったことを言っただけなのに…」
そんなつもりはなかったのに、
彼の態度がどこかよそよそしくなった——
そんな経験、ありませんか?
言い方がきつかったのかもしれない。
タイミングが悪かったのかもしれない。
いろいろ考えてはみるけど、
結局「何がダメだったのか」がよくわからなくて、
なんだかモヤモヤしたまま時間だけが過ぎていく。
僕自身も、
恋愛の中で何度も同じことを感じてきました。
悪気はなかったのに。
ただ、思ったことを言っただけなのに。
なのに、なぜか距離ができてしまう。
そしてそのまま気まずくなって、
お互いが話しにくくなっていく——
でもあとから振り返ると、
“言った内容”よりも、
“そのときの空気”がすべてだったんだな、
と思うようになったんです。
今回は、
「責めてるつもりはないのに距離ができる理由」について、
僕自身の経験も交えてお話ししていきたいと思います。
土曜日の昼下がり。
彼女とカフェでランチをしていたときのことでした。
僕がスマホをチラッと見た瞬間、彼女がぽつりと言ったんです。
「ねえ、私といるときくらいスマホやめてよ」
その言葉に、僕の中で何かがカチッと止まりました。
怒ってる感じじゃなかった。
声も落ち着いてたし、冗談っぽくさえ聞こえた。
でも、僕の中にスッと冷たいものが差し込んだんです。
「ごめん、仕事の確認だけ…」
そう答えた僕の声も、どこかよそよそしかったと思います。
それ以降、
食事のあいだも会話があまり弾まなくなって、
帰り道もなんとなく距離を感じたまま、
無言の時間が多くなってしまった。
彼女からしたら、
ただ気になったことを言っただけ。
責めているつもりなんて、きっとなかった。
でも、僕はどこかで「咎められた」と感じてしまっていた。
“スマホを見る=悪いこと”と決めつけられたような気がして、
「気をつけなきゃ」と思う一方で、
「気をつけなきゃいけない関係」に窮屈さも感じ始めてしまった。
それから、僕は以前よりも彼女と過ごす時間に気を使うようになりました。
スマホを見ないように意識する。
でもそれと同時に、
どこか自然体でいられない自分が増えていった。
「責めてるつもりはない」
その言葉はたぶん本当だったんだと思います。
でも、受け取る側の状態によっては、
その言葉さえも“指摘”や“評価”のように感じてしまうことがある。
あの時から、
僕たちの会話の質は少しずつ変わっていきました。
あの「スマホやめてよ」の一言。
たったそれだけの言葉だったのに、
なんであんなにも自分の心がざわついたんだろう。
時間が経って冷静に考えてみたとき、
僕はようやく気づきました。
彼女が言ったのは、ただの“お願い”だった。
でも僕は、それを“指摘”や“ダメ出し”のように感じていた。
なぜそう思ってしまったのか。
そこには、
自分自身がずっと抱えていた
「ちゃんとしなきゃ」の感覚がありました。
相手を大事にしたい。
ちゃんと誠実でいたい。
そう思えば思うほど、
「できていない自分」が責められると、
必要以上に反応してしまう。
彼女はただ、寂しかったんだと思う。
「私をちゃんと見ててほしい」
その気持ちを、ちょっと拗ねたように伝えただけ。
でも僕はそれを、
“ルール違反をした”みたいに受け取ってしまった。
その瞬間、関係の中に
「減点方式」が生まれてしまったように感じて。
気づかないうちに、心のどこかを守ろうとし始めていた。
“責められた”と感じた瞬間から、
僕は「失敗しないように動く」ようになっていたんです。
そしてそれは、
“自然体でいられない距離”をつくる原因になっていました。
きっとあなたも、
「責めてるように聞こえてほしくない」
「わかり合いたい、話し合いたい」って思いながら、
関係の中で言葉を選んでいると思います。
それでも、ちょっとした一言が相手を委縮させたり、
逆に距離を生んでしまったりすることってあるんですよね。
その原因は、言葉そのものよりも、
“どう伝わったか”にあります。
相手の心に余白があるときは、
「お願い」として受け取れる言葉も、
疲れていたり、プレッシャーを感じていたりすると、
“評価”や“ダメ出し”のように響いてしまうことがある。
だから大切なのは、
言葉の選び方だけじゃなく、
「このタイミングで伝えても大丈夫かな?」
「今の相手に、これを受け取る余裕があるかな?」と
相手の状態を想像することなんです。
それは決して我慢じゃなくて、
“すれ違いを減らすためのやさしい工夫”だと思います。
「悪気はなかったのに」
「そんなつもりじゃなかったのに」
そう思ったときこそ、
言葉の背景にある空気を、
少しだけ見直してみる。
それだけで、ふたりの関係の空気が
ふっとあたたかくなることがあるから。
人って、本当にちょっとしたことで距離ができてしまうんだなって、思います。
自分では丁寧に伝えたつもりでも、
相手には“咎められた”ように響いてしまうことがある。
逆に、ただの冗談のつもりが、
相手の心を深く刺してしまうこともある。
大げさな言葉なんて使っていなくても、
ほんの一言で、ふたりの空気が変わってしまう。
それは、誰かが悪いわけじゃなくて。
ただ、心の準備ができていなかったり、
少し疲れていたり、
その瞬間に“余白”がなかっただけなのかもしれません。
僕も、何度もそういう経験をしてきました。
「ちゃんとしなきゃ」
「期待に応えなきゃ」
そんな気持ちで過ごしていたときほど、
ちょっとした一言に敏感になって、
“責められている”と受け取ってしまった。
本当は、ただ話し合いたかっただけ。
ただ、少し気持ちをわかってほしかっただけ。
だけどその素直な思いが、
すれ違いの中で形を変えて伝わってしまう。
だから僕は今、思うんです。
関係って、「何を言ったか」よりも、
「どう伝わったか」がすごく大事なんだって。
「この人は、自分を否定する人じゃない」
「ちゃんと見てくれてる」
そういう安心感があるだけで、
言葉の受け取り方って、本当に変わる。
もしかしたら、あなたが伝えようとしたことも、
相手が疲れているときじゃなかったら、
違うふうに受け取られていたかもしれません。
だからこそ、完璧な伝え方を目指さなくても大丈夫。
大事なのは、「ちゃんと大切にしたい」という気持ちが、
関係の中に滲み出ているかどうか。
責めるつもりがなかったなら、
もう一度だけ、やさしい声でその気持ちを届けてみてください。
それが、ふたりの距離をまた少し近づける
きっかけになるかもしれません。